壷阪寺について
壷坂寺の魅力、寺宝や縁起を紹介
木造・玉眼・彩色 像高96.4cm
鎌倉時代 13世紀
左眼をわずかに閉じ、口角に上下に牙をあらわし、右手に剣、左手に羂索をとる不動明王立像。構造は、前後に二材を寄せる寄木造とみられ、面相部はさらに別材を矧ぎ、玉眼を嵌入する。腰を大きく右にひねった動勢のあるポーズ、不動明王らしい肥盛した体つきをダイナミックな肉付けで表現した奥行のある体躯、玉眼とも相まって力強い怒りの表情をつくり出している深い彫りの目鼻立ちなど、鎌倉時代の充実した写実表現が特徴である。(礪波恵昭)