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寺宝

一字金輪曼荼羅(重要文化財 奈良国立博物館寄託)

一字金輪曼荼羅(重要文化財 奈良国立博物館寄託)

絹本著色 縦107cm 横83.8cm
鎌倉時代 13世紀
一字金輪仏頂を本尊とする曼荼羅で、『金剛頂経一字頂輪王瑜伽一切時処念誦成仏儀軌』に基づいて描かれる。一字金輪仏頂の像容はおおむね金剛界大日と一致し、蓮華座の下に七頭の獅子が配されるのが普通であるが、本図では八頭となっているのが珍しい。周囲に、真下に置かれた仏眼仏母と、右回りに輪宝・珠宝・女宝・馬宝・象宝・主蔵宝・主兵宝の七宝を配する。以上の九尊を、胎蔵界曼荼羅の中台八葉院の形式に倣って、八葉蓮華に納め、四隅に宝瓶を据えた構成は、遍照光院本や奈良国立博物館本など、抽象的な地に諸尊を配列した他本と異なる。儀軌に説かれるところではなく、鎌倉時代の新図様ではないかとされている。(中島 博)

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