壷阪寺について

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寺宝

両界曼荼羅(奈良国立博物館寄託)

両界曼荼羅(奈良国立博物館寄託)

両界曼荼羅

 

紺地金銀泥 各縦160cm 横155cm
鎌倉時代 13世紀
金剛石のように堅固な大日如来の智慧を表現する金剛界曼荼羅と、大日如来の慈悲の広がりを表現する胎蔵曼荼羅という、本来は別個の二図を一対とした、密教の根本の図。弘法大師空海が唐から請来した図を写し伝えたものを、現図曼荼羅と称しており、本図もその一例である。彩色本のほかに、紫綾地に金銀泥で描いた「高雄曼荼羅」や紺綾地に金銀泥の「子島曼荼羅」といった遺品が平安時代からあり、本図はその伝統を引くと考えられる。非常に緻密で謹厳な描写で、諸尊の相貌にはインドの風を伝えるかと思われる異国的な表現も認められ、極めて良好な保存状態もあわせ、優品として注目される。なお、背面貼付紙に、慶長八年(1603)の修理銘が記されている。(中島 博)

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